あの日の偶然の出会いから始まった…SixTONESが持つ「ストーリー」についてエモさ爆発で語ってみた

SixTONESの「NEW WORLD」を聞くと、いつも新鮮に泣きそうになっちゃうんですよ。


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なぜかというと、この曲の歌詞が「SixTONES」というグループの持つ独自のストーリーをなぞっているように感じるからで。

もちろん、メディアに出ている情報だけに触れてわかった気になったり、理想を投影して勝手な「推し」像を作り上げてしまったりすることに気をつけたいとは思いつつ。

それでもやっぱりそこにあるストーリーに惹かれずにはいられない。

 

先日8/22に公開されたMyojoの1万字インタビュー6人分の内容を振り返りながら、SixTONESが持っているストーリー(あくまでファンの私たちに見せてくれているストーリー)の良さを、ちょっとだけ語ってみようかと思う。それぞれのインタビューへのリンクは以下の通り。長いけどできれば読んでほしい!(9/21まで)

松村北斗田中樹森本慎太郎髙地優吾京本大我ジェシー

 

SixTONESを好きになってまず驚くこと。それは、当初あの6人は『私立バカレア高校』という日本テレビのドラマに出演するために集められたメンバーだったということ。

どういう基準で選ばれたのかはわからないけど、その後グループでやっていくことなんて全く想定されていなかったらしい。

つまり、SixTONES結成の一番最初の「きっかけ」は、ほぼ偶然に近い状態で起こったってこと。タイムリミット付きの即席の組み合わせだったのだ。

 

そもそも、SixTONES結成前の6人はそれぞれ、ジュニアの中でも異質な存在で、ある意味でみんな「悪目立ち」していたのかもしれない、と1万字インタビューを読んで改めて思った。

 

松村北斗

ジャニーズに憧れて、自分の意思で3度も履歴書を送り、書類が通ってもオーディションに落ちたら夢が終わるんだと行きの車の中で泣いていた北斗は、入所後に一緒にグループを組んでいた菊池風磨中島健人がSexyZoneでデビューしてから「グレた」という。

「素敵なバラードなのに、めっちゃにらみを利かせ、指にはドクロの指輪。自分を何者かに見せようと必死で。誰よりも本人が、自分は特別な人間じゃないことに気づいてたのに」

「当然、周囲からも、“感じ悪い”“イメージ悪い”“調子乗ってる”って声が聞こえてきて」

 

田中樹

「ずっと“俺はジャニーさんがデビューさせたいって思うタイプじゃないな”ってのは感じてた」

という樹は、ジャニーズ事務所に所属していた身内のトラブルで、『バカレア』出演後の2年間はどん底にいたという。

中には樹から距離をとる人もいて、SixTONESを結成してからも、そのイメージは付き纏った。

「“デビューなんて絶対ムリだ”って散々言われた。でも、あんたらがバカにして鼻で笑っても俺はデビューできるって信じた。メンバーも俺のせいで散々言われた。“田中がいるグループで大丈夫なのか?”って」

 

森本慎太郎

9歳でジャニーズ事務所に入り、何もわからないまま子役として持ち上げられ、ドラマやCM、映画に出演させられた慎太郎。

「仕事のプレッシャーより、仕事が増えれば増えるほど友だちが減っていくほうが辛かったな。あれだけ仲よくしてくれたJr.の友だちが、急に距離を取ったり、よそよそしくなったり。今ならわかるんです。何の実績もない入所直後のJr.が、いきなり大役を次々に任されてく。嫉妬みたいなものもあったはずで。でも幼すぎて、そういう感情には気づけず、“がんばれば、がんばるほど、なんで友だちが減ってくんだよ……”って寂しくて」

さらに『バカレア』出演の1年前に、樹と同じくジャニーズ事務所に所属していた身内のトラブルに大きく影響を受け、「辞めよう」と考えるほど追い詰められたという。

「中学の友だち数人と、高校生のときにメシを食べてて。何気なく、“あのころ、迷惑かけたよな”って俺が言ったら、友だちのひとりがポロッと“そんなこと全然ない。記者の人にしつこくされたくらいだよ”って。みんな一瞬“あっ”みたいな顔したんですけど、俺なんのことかわかんなくてくわしく聞いたら、いろいろあったタイミングで週刊誌の記者に、声をかけられて根掘り葉掘り聞かれたらしくて」

 

髙地優吾

高校1年生の時、バラエティ番組「スクール革命!」の公募オーディションに友達が勝手に履歴書を送り、受かりたくなくて隠れていたらジャニー喜多川氏の目に留まり、想定外にジャニーズジュニアとなってしまった髙地。

「内村(光良)さんに“今の気分はどうですか?”って聞かれ“最高です!”って満面の笑みで答えたんですけど、内心は“最悪だ!”って思ってました(笑)」

やはり何度も辞めたいと思ったという。

「やっぱり入りたくて入ったわけじゃないって気持ちがどこかにあるから。ダンスにしても歌にしても、なんでこんなに怒られなくちゃいけないんだって思いがいつもあって。俺、Jr.の中で浮いてたな。少しでもいいポジションに立ちたい、デビューしたいってみんな必死なのに、俺は誰もが望むポジションにいながら、やる気がないように見える」

 

京本大我

ジャニー喜多川氏からスカウトを受け、突然ステージに上げられてしまった京本。父親の京本政樹は入所前、「やってみる」という京本に「大我は2世という目でも見られるから苦しい思いもするよ」と話したという。

「入ってすぐ、父の言ってた意味がわかりました。最初、がっつりイジメられたんで。靴はなくなるし、衣装部屋の“京本”ってネームプレートがゴミ箱に捨てられたり」

そういった背景もあってか、ジャニー喜多川氏に「グループじゃないんだよね。ひとりっていうか。協調性がまずない」と言われ、京本はひとりでやっていく覚悟を決めていたらしい。

 

ジェシー

ジェシーはジュニア時代、ジャニー喜多川氏に気に入られていたという。

「俺はハーフってこともあるし、ジャニーさんに目をかけてもらえてるって周囲は思ってる」

「Jr.の私物がなくなることがあって、なぜか俺が取ったってウワサが流れて、一時期俺はグループから外されたんだよね」

 

そんな、ある意味で「はみだし者」で「悪目立ち」していた6人が『バカレア』で出会ったのは、ちょっと仰仰しい言葉で言うと「奇跡」みたいで。『バカレア』で共演した時には、6人はそれぞれいろんな気持ちを抱いていたらしい。

北斗「6人でいると、なんかおもしろいなって思う瞬間もあって」「いろんな部分の寄せ集め、合挽き肉で作った家庭のハンバーグ。でも、すっげーおいしいかもみたいな」

 

樹「とにかく6人で用もないのにずっと一緒にいて。腹減ってないのに、とりあえずラーメン屋行って、くだらねー話で笑い合って。何か、こんな日々がずーっと続くような気がしてた」

 

慎太郎「うれしかったのが、対等に話せる仲間ができたこと。以前はドラマに出ただけ友だちが減ってくって感じてたのが、今度はちがう。だから5人は、俺にとって共演者以上の存在だったんですよね。初めてできた仲間っていうか」

 

髙地「俺はアイドルに向いてないってずっと思ってた。だけど、こいつらといるとなんか楽しい。青春の1ページじゃないけど、いつも6人で一緒にいた。買い物行って、メシ食いに行って、何するにも6人一緒で。“俺ら6人揃ったら、できないことなんかないよな!”って根拠のない自信が全員にあって」

「みんな、それぞれ背負ってるものだったり、挫折だったり、心に傷を持った6人だったからかな」

 

京本「この6人でデビューできるかもって一瞬思いました。ただ僕は妙に現実主義なとこがあって、ドラマが終わって徐々に人気に陰りが見え始めたのを感じてた。この6人、もうすぐ解体されてバラバラになるだろうなって空気も」

 

京本が感じた通り、その後6人はバラバラになる。状況を変えたのはジェシーだった。

ジェシー「“なんかこの6人だったらデカイことができんじゃね?”って直感みたいなのがあったんだよね」

「誰と組んでもどこかちがう気がして。笑ってはいるけど、どこか笑えてないというか。ようやく気づくんですよ。グループに憧れてるんじゃない。あの6人でグループになりたかったんだって」

6人でもう一度やりたい。そう思ったが、シャイなジェシーは自分から言い出せず、一番仲の良かった髙地に「みんなに言ってくれない?」と頼んだそうだ。

髙地「あいつ(ジェシー)、いっつも“なんかちがう。違和感がある”ってすげー言ってた。“バランス、勢い、雰囲気、全部あの6人だったからなんだって気づいた。6人が集まったときのエネルギーすごかったよね。誰か欠けたらダメなんだ”って言ってたんですよね」

ジャニーズを辞めようと思っていた6人。グループでうまくいかず、孤立したり燻ったりしていた6人が、自分達の意思で再び集まり、ジャニー喜多川氏にグループ結成の直談判をする。

そうやって2015年に結成されたSixTONES。ぶつかり合ったり、気まずい時期も乗り越えて、迎えた5年目。ついにデビューのタイミング。

 

樹のこの言葉が印象的だった。

「俺ら、皆が想像する以上にボロクソ言われてきたんで。“デビューなんて絶対ムリだ”って散々言われた。でも、あんたらがバカにして鼻で笑っても俺はデビューできるって信じた。メンバーも俺のせいで散々言われた。“田中がいるグループで大丈夫なのか?”って。それでも5人は離れないどころか、俺を守り続けてくれた。その結果がこれだ! 俺たち6人はデビューした! 記録も作った! “ざまあみろ!”って」

 

ジェシーのこの言葉も。

「俺、ずっとメンバーが幸せだったらいいなってのがあったからさ。ただ、俺が勝手に先走ってグループになっただけで、メンバーにはしなくてもいい苦労までさせて巻き込んじゃったのかなって思ったこともあった。これで、もしデビューできなかったらって。でもちがった。この6人で何者かになりたいって願ってたのは俺だけじゃなかった。いつの間にか6人全員の夢になってた」

 

こんなSixTONESの奇跡と怒りと絆に満ち溢れた成り立ちを知ってしまうと、今も彼らが「自分達にしかできないことをやりたい」「6人で一緒にやりたい」「外でそれぞれ活動してSixTONESに還元したい」と語っていることに、とても納得できるし、一方でなんて強いんだ、強すぎるとも思う。

ジュニアの中で「悪目立ち」していた個性たちは、集まっても他の5人に負けない強烈な魅力という武器になった。6人の個性が響きあってSixTONESになっている。このことに感動せずにはいられない。

 

さて、これを読んでくれた人は、もう一度「NEW WORLD」を聞いてみてほしい。


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この映像はデビューが決まって、ジャニーズジュニアとしての最後のコンサートを収めたものだ。涙を堪えて、噛み締めながら歌うSixTONESの姿、歌声、そしてストーリーを補強する歌詞が、より響いてきたと思う。

これこそ「アイドルを応援する」ことの、危うくて面白い部分だなあと思うのだ。 

 

自撮りMVバージョンもある。これもシンプルだけどグッとくる動画。


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最後に樹の身が引き締まる言葉を。

「Team SixTONESってよく言うんですけど、SixTONESへの愛情を持った人が、それぞれ自分ができることをやって、グループを大きくしていくってイメージなんだよね。俺らができることは俺らがやる。俺らができないことはファンが、スタッフがやる。結果、SixTONESが大きくなっていく。メンバーとファンの関係はSixTONESに愛情を注ぐという点においてフェアであり対等だと思ってる」

SixTONESの「ファン観」はちょっと特殊なので、それについてもいつか話してみたい。