自由に歩く、6月の京都2泊3日ひとり旅行【1日目】(嵐山、京都市内)
6月某日、早朝5時。
たぬきはベンチに座って、まだ人通りの少ない巨大な京都駅を眺めていた。東京駅から高速バスに乗ること8時間。3列シートの広々した席を予約したのが功を奏し、体力はあり余っていて、足も痛くない。睡眠も行動に支障がない程度にはとれていた。
これから待ちに待った2泊3日の京都旅行が始まるのだ。目的は2日目に予定している推しの舞台鑑賞だが、それ以外にもやりたいことがたくさんある。旅の計画を練りながらこの日を待ち侘びていたたぬきの胸は期待でいっぱいだった。まだ、この時は……。
……と、煽ってはみたけど別になんのトラブルもなく、楽しい一人旅2泊3日だったのでここに書き記します。誰かの京都旅行の参考になれば、あるいは、誰かがこれを読んで旅行気分を味わってもらえれば嬉しい。
※本当はVlog的に動画にまとめてYouTubeに載せようと思ってたんだけど、挫折したので動画から切り出した画像を使ってるよ。せっかくだからちょこちょこ動画も載せるので、ぜひ見てほしい。
さっそく観光地・嵐山へ
ホテルに荷物を預けた後、少し休憩してからJR嵯峨野線で「嵯峨嵐山駅」へ。
京都に着いたのがあまりにも早朝すぎて、嵐山に着いてもどのお店も寺社仏閣も開いてない。深夜高速バスは便利で安いけど、朝の時間を持て余しがちなのはデメリットだ。
なので、日中は観光客で混雑していて人が写っていない写真を撮るのが難しい……と事前情報を得ていた2つの絶景スポットを、人がいないうちに巡ることにした。我ながらなかなか時間の使い方がうまいのでは……と自画自賛したくなる。
まずは、駅から15分程度歩いて渡月橋へ。
橋の上を何往復かして川を眺めたり、
定番の角度で写真に収めたり、
早朝の澄んだ空気の中、のんびり堪能できました。そりゃそうなんだけど、本当に全然人がいなかった。自然から長く離れていたので、久しぶりに大自然に当てられてデトックスされた感も強い。旅の滑り出しとしてはまずまずなのでは。
続いては、徒歩10分ほど移動して、天龍寺の奥へ続く竹林の小径へ。
こっちも誰もいない〜! その後、天龍寺観光後にまた訪れたら人で溢れていたので、早朝チャレンジしてみて本当によかったです。渡月橋と同じく自然に囲まれる気持ちよさを堪能できて、うーんと伸びがしたくなるような感覚に。
当たり前なんだけど、たけのこもいっぱい生えてた。
時間はたっぷりあるので、ゆっくり竹林を散策していたのですが、小さな神社を発見。
「野宮神社」という、源氏物語にも登場する場所なんだとか。なるほど、斎宮(天皇の代わりに伊勢神宮に仕える未婚の女性)が身を清めるために、ここで生活していたんだね。
知識が足りず、寺社仏閣との関わり方はまだ決めかねているというか、スタンスがはっきりしない部分ではあるのですが、素敵な佇まいだったのでお参りすることに。
誰もいない早朝の神社はかなりオーラがあるというか……1000年以上前からずっとこの地にあると思うと妙に緊張してしまい、ギクシャク強張った体で足早に後にした。何かを感じ取ってしまってもおかしくない空気があって……。
ちなみに先ほど上に貼った鳥居は「黒木鳥居」といって、樹皮がついたままの原始的な形式を再現したものなんだとか。そんなところも少し、他の神社とは空気感が違って本当に緊張しました。
すぐ隣にあった踏切もなんだかすごく気になった。
古民家を改装したカフェでモーニング
午前8時、お目当てのカフェがオープンしたのでさっそく朝ごはんを食べることに。1809年に建築された旧小林邸をカフェに改装した「パンとエスプレッソと嵐山庭園」です。竹林からは徒歩10分くらい。
この外観なので、もちろんTikTokほか各種SNSで大バズり。私は開店直後に行ったので並びませんでしたが、数組開店待ちしてる人がいるくらいだったので、もっと後の時間だと混んでるかも。
内装も素敵だった。
パニーニセット、ドリンクがついて1600円。サバサンドにしました。
パンは表面サクッと、中はもちっと。脂の乗ったサバがレモンの風味で爽やかに味わえて非常に美味しかった。付け合わせのごぼうサラダの味付けもよかったな。
ひとりもくもくと味わった後は、少し読書をさせてもらうことに。
今回の旅のおともは兼本浩祐『普通という異常 健常発達という病』(講談社現代新書)とマーガレット・アトウッド『侍女の物語』(早川書房)。ちなみに後者はいまだに読み終わってません。
再び嵐山散策、天龍寺へ
お腹が満たされたので、すぐ近くにある天龍寺へ。時間は午前10時頃になっていたので、修学旅行生が大勢いました。
目当ては天井に大きく描かれた「雲龍図」。
「どこにいても龍と目が合う」とのことだけど、栃木県・日光東照宮の「鳴龍」を見たときも確か同じ説明をされた気がする。同じ京都の「妙心寺」の天井に描かれた龍も同じだとか。言い方は浅くなっちゃうけど、時を超えて繰り返し用いられるほど、定番化されたデザインだってことだよね。
ちなみに、天龍寺の龍が描かれたのは1997年、天龍寺開山650年を記念した事業によるものらしい。
雲龍図のある法堂は撮影禁止なんだけど、外に修学旅行生がわんさかいるのに、広い法堂の中には誰もいなくて薄暗くて、なんだか外界と隔絶された感があり、そんな中で龍とずっと目を合わせているのはなかなかゾッとする体験だった。
雲龍図も良かったけど、天龍寺で特に気に入ったのは庭園が見渡せる方丈(書院)の入り口にある「達磨図」。
禅宗の始祖、達磨大師がモデルなんだとか。「だるま」って、そういうことだったのね。パキッとした赤が映える、ちょっとポップでコミカルなデザインの図に思えて、雲龍図よりこっちの方が天龍寺のアイコンって感じがするかも。
庭園も素晴らしかったです。
みんながついお金を投げちゃうスポットも。(ナイスタイミングで誰かが投げてくれた)
人でギュウギュウの嵐山に疲れてくる
朝5時から活動しているうえに、お昼の嵐山は観光客で溢れていて、さすがに疲れてきてしまった。計画では、一人で食べ歩きしちゃったりもいいかなと思っていたけど、意外とむしむしして暑かったのもあり、そんな余裕もなくなってしまい、座って休憩するために、気になっていたスイーツを出すお店へ。
メイン通りの竹林寄りのほうにあるお菓子屋さん「老松」で「夏柑糖」を食す!
う、うつくしい……。夏柑糖は夏みかんの中身を取り出して寒天を加え、皮を器として利用したゼリー菓子。食べたらこれがうまい。疲れ切った体と乾いた喉に沁みる。意外とすっぱくなくて、さわやかな甘みと優しいのど越しに癒された。ゼラチンとは違うほぐほぐした寒天の食感、だいすき~! ぺろっとたいらげました。
計画を変更してマイペースに過ごしても、誰にも迷惑をかけないのがひとり旅の利点。まだ昼の12時半頃だったけど、疲れを無視せず早めにホテルチェックインすることに。
ホテルで食べる用に、大人気「みっふぃーきっちん嵐山店」のミッフィーあんぱんも買いました。確かにこれは写真撮ってSNSに上げたくなっちゃうね。
今日の宿「SAKURA TERRACE THE GALLERY」へ
京都駅に戻って、徒歩3分の場所にある「SAKURA TERRACE THE GALLERY」へ。1泊朝食付きで13000円くらいだったかな。内装はおしゃれなんだけど、ラフに入れる感じの施設でした。
チェックイン予定が14時で13時頃に着いてしまった(早すぎ)ので、ラウンジで待たせてもらうことに。
吹き抜けになっているのがすごいぞ。この上はマンションみたいになってるんだけど、全部客室。ウェルカムドリンクやレストランメニューもこのラウンジで楽しめるみたいです。フリードリンクもあり。
外だけど冷房を効かせてくれていて過ごしやすい。ちょっとした仕事を片付けたりしていたら、30分早い時間にチェックインさせてもらえました。柔軟な対応感謝。とにかく疲れていたのでありがたい。
待ちに待ったお部屋との対面…!(興奮して鼻息入ってしまったのでミュートにした)
過ごしやすいお部屋で非常に良かったです。ベランダがあるのすごいいいね。京都の街を眺めながら夜風に当たって晩酌したり、購入したグルメを食べたりするのも良さそう。
この後、ミッフィーあんぱん食べてから、しばらくお昼寝した。旅行中に日が高いうちからホテルのベッドで寝るなんて……と極上の贅沢に浸る。
「とくら 京都三条店」で肉汁ハンバーグ
17時頃、ホテルでゆっくり休んで体力が回復したので、京都駅から地下鉄に乗って烏丸御池駅へ。
夕飯に選んだのは、SNSで溢れる肉汁を見て絶対に行きたいと思っていた「とくら 京都三条店」のハンバーグ。
17時開店のお店なんだけど、着いたときにはすでに数組開店待ちしてました。今回の私の旅は「先手先手」で並ばず楽しむ、をテーマにしていたのですが、たぶんもう少し遅い時間、夕飯時だと混みそう。
メニューはこんな感じ。オーソドックスな「オリジナルハンバーグ」の180gにしました。
き、きた~~!うつくしい……!
せっかくなので、噂に違わぬすごい肉汁を動画でどうぞ。(ちょっとピントあってない。下手っぴでごめんね)
写真や動画を見るだけで、美味しさが想像できると思うんだけど、見た目通りめちゃくちゃ美味しかったです。一口一口噛みしめて食べていたら、なんか胸がいっぱいになって涙出そうになったくらい。
お肉はフワフワやわやわ。でも最近流行ってるような生焼けじゃない、しっかり焼いたハンバーグで、大事に作られてる!!と思いました(念のため、レアのハンバーグも美味しいところのはちゃんと美味しいよね)。お味噌汁とご飯も美味しかった。ホッとするお味。
夕方の市内をのんびり散策
おなかがいっぱいになったので、そのまま付近を散策することに。烏丸御池~三条河原町あたりをブラブラ。ふつうに街を歩いていたら、突如として重要文化財がゴロゴロ出てくるので驚いた。
三条通りにある、気になっていた手作りアクセサリーショップ「glenta」へ。2階の「CRAFY」では結婚指輪や婚約指輪も作れるそうです。
最近、AppleWatchを日常使いするようになったので、合わせてブレスレットを購入。小作りなアクセサリーよりも、どちらかというと大ぶりで装飾の少ないアクセサリーのほうが似合うタイプです。ブレスレットは大体3000円くらい。気に入って最近は毎日つけてる。
そして「glenta」の向かいにあった「はなの舞」。新選組ゆかりの地として有名なあの「池田屋」が、まさか居酒屋になっているなんて……。
これに関しては、事前に『薄桜鬼』ファンの友人に教えてもらっていたんだけど、メニューや内装も『薄桜鬼』コラボだったりして楽しそうでした。ぜひ今度、友人と一緒に行ってみたい。
夜の定番はもちろん…コレよ
その後、迷いながらもなんとかホテルに帰ってきて、ウェルカムドリンクで梅酒を1杯。ロックでぐっと飲んだらいい感じにほろ酔い気分で、楽しくなってくる。夜はまだまだこれから……! 再度、街に繰り出すことに。
やってきたのは……
ホテルから徒歩5分のところにある、イオンシネマ京都でした。レイトショーで『リトル・マーメイド』を鑑賞。旅行中、思い付きで趣味を楽しめるのもひとり旅の醍醐味かなあ、と。
というわけで、1日目は終了。2日目は、中学時代の修学旅行で見れなかったことがずっと心残りだった「三十三間堂」「空也上人像」を訪れて、南座に推しの舞台を見に行きます。つづく。